Kaduna’s blog

2次記憶として徒然に

工学のための関数解析  山田功

工学のための関数解析 

修士論文を書くにあたって,関数解析の復習をする必要が少し出てきたので評判の良かった本書を読みました.関数解析は.院試の際に軽く勉強したはずなのですがすっかりと抜け落ちてました…

本書ですが,実線型関数解析に関してスペクトル周りの理論を除いて,最低限必要な知識がさっぱりとまとまっている感じの本でした.

ε-δや距離空間をそれなりの紙面を割いて丁寧に説明しており,積分も基本的にリーマン積分を用いているので,タイトルの通り,数学に近くない工学系の方にちょうど良いくらいなのではないでしょうか.

全体として,Statementが多く,行間が少なく読みやすい一方で,本質的なところが分かりにくくなっているきらいもある気がします. 

最終章で応用として凸解析が挙げられていますが,駆け足気味で行間も若干広いので,他書をあたった方がよいかもしれません.

 

工学のための関数解析 (工学のための数学)

工学のための関数解析 (工学のための数学)